なぜか魅せられてしまうイギリス伝統のお菓子たち。
素朴なお味ながらも、そこに物語があるからかも知れません。
たくさんある種類の中から、
手持ちレシピからと英国出版本のレシピより、作れたものから順に載せています。
≪Cream Buns≫クリーム・バンズ
地方菓子(パン)に「デボンシャー・スプリッツ」というのがありますが
これはその別名でしょうか?
焼き立てのふわふわパンに
ジャムと無糖のクリームをサンドしてつくります。
どこにでもありそうな簡単に作れるパンなのに、
改めて、その素朴な美味しさに驚かされます。
≪Fat Rascals≫ファット ラスカルズ
ヨークシャー州ハロゲイトの老舗
「ベティーズティールーム」によって有名になったお菓子。
名前の通り「太った、いたずらっ子」が
歯を見せてニタッと笑っている顔に作ります。
酸味と甘みにスパイスも効かせて、
スコーンよりもほろっとした食感です。
≪Lemon Meringue Pie≫
レモン メレンゲ パイ
ショートクラストペストリー生地にレモンカードを載せ、
更にメレンゲをこんもりと載せて焼いたもの。
作りたてを頂きます。
サクサクのペストリーと
酸味の強いレモンカードとのバランスが美味しい。
≪Maids of Honour Tarts≫
メイズ オブ オナー タルト
チューダー王朝時代の16世紀
ヘンリー8世の格別のお気に入りだったという。
パイ生地にレモンカードとチーズフィリングを載せて焼き、
パイがサクサクのうちに頂きます。
≪Banoffee Pie≫
バノフィー パイ
コンデンスミルクをカラメル味に煮詰めたタフィーソースと、
バナナと生クリームとの美味しい組み合わせです。
初心者用に、クラッカーを砕いて敷き詰めただけの
簡単なタルトで作っています。
≪Dorset Apple Cake≫ドーセット アップル ケーキ
「ドーセット」という名の付いたこのリンゴのケーキには、
その筋によると、
スパイスを決して含まれてはならない
ということが言われてきているそうです
角切りしたリンゴをそのまま入れて焼いた、
しっとりして上品なお味のお菓子です。
≪Tipsy Cake≫ ティプシーケーキ
ティプシーとは「ほろ酔い」の意味。
18世紀より、舞踏会での夕食時にポピュラーだったという。
余ったケーキスポンジで作る、
トライフルよりももっと砕けたようなお菓子です。
ほろ酔い効果を出すためにスポンジにたっぷりのアルコールを浸して。
写真はシェリー酒で作りました。
≪Victoria Sponge≫ ビクトリアスポンジ
ビクトリアサンドイッチともいう。
ビクトリア女王にちなんで作られ、
彼女もアフタヌーンティーではとても好んだそうです。
バターケーキの割にはふわっと軽く、
シンプルな美味しさです。
≪Hot Cross Buns≫ ホットクロスバンズ
16世紀英国では
ベーカーズがスパイス入りのパンを作ることは
法律によって制限されていたそうです。
そんな中、スパイス入りを許された場面の一つが「Good Fraiday」、
そのシンボル的なパンがこの「ホットクロスバンズ」という。
たっぷりのドライフルーツとスパイスが美味しい。
バターを塗ってその日のうちに。
≪Engrish Summer Pudding≫
イングリッシュ サマー プディング
古くなったパンと煮詰めたベリー類で作る
酸味が美味しい夏のお菓子です。
冷たく冷やしてどうぞ。
≪Scones≫スコーン
スコーンは1500年代初めに
スコットランドで作られたのが始まりだそうです。
オーツから作られ、グリドルで焼かれたとのこと。
それが徐々に
今のような軽くふわふわなものへと変化していったようです。
≪Treacle Tart≫トリークルタルト
このタルトは、
1880年代にゴールデンシロップやライトコーンシロップが
作りだされたのに伴って創作されたそうです。
しかし、黒糖蜜を使ったよく似たレシピが
17世紀には既に登場していたようです。
パンのクラムをこのシロップ等で固めて作ります。
クローテッドクリームを添えて。
≪Eton Mess≫イートンメス
英国名門のイートン校で生まれたお菓子だそうです。
messとは乱雑な状態、の意味。
ザクザクと割りいれたメレンゲと生クリームと苺を重ねて。
とても簡単ですが見た目が可愛く、
組み合わせの食感やお味も楽しいお菓子です。
≪Bakewell Tart≫ベイクウエルタルト
イングランド中部の州
ダービーシャーの伝統的なお菓子だそうです。
タルト生地にラズベリージャムと
アーモンドクリームを流して焼きます。
冷めてからでも、オーブンから出してすぐにでも、
ホイップしたクリームを添えて。
≪Battenberg Cake≫バッテンバーグケーキ
このケーキは200年以上もの間
英国のレシピ本に取り上げられてきているそうです。
1884年にビクトリア王女とバッテンバーグのルイス王子との
結婚を祝して作られたとありますが、
また別の説もあるようです。
≪Lemon Drizzle Cake ≫レモン ドリズルケーキ
Drizzleとは霧雨という意味。
taetimeのお供に
長く好まれているお菓子だそうです。
焼きあがったレモンケーキに
レモンのシロップをたっぷり浸み込ませて作ります。
≪Gingerbread Men≫ジンジャーブレッドマン
ジンジャーブレッドマンの起源は16世紀に遡る。
当時エリザベス一世が
彼女のゲストに似せて形を作らせたのが始まりらしい。
今では世界中の人気者に。≪Crumble≫クランブル
第2次大戦時
食品配給制の中でバター、卵、砂糖すべてが不足し
パイやスポンジケーキが
より質素なクランブルに取って代わられたそうです。
写真は「 リンゴとブラックベリーのクランブル」
季節のフルーツで。
≪Sticky Toffee Pudding≫
スティッキー トフィー プディング
このお菓子の由来については諸説があるそうです。
生地にたっぷりのデーツを混ぜ込んで焼き、
そこにキャラメルの味わいの
スティッキータフィーソースをたっぷりかけ、温かいうちに。
冷たい生クリームを添えても。≪Jumbles≫ジャンブルズ
チューダー王朝時代にポピュラーだったという
結び目が特徴のビスケット。
Jumblesには、混乱、ごちゃまぜ、
ガラクタなどの意味も。
形も楽しいけれど
ハーブやスパイスが新鮮な味わいです。≪オーツクッキー≫
オートミールのクッキーを
配合を変えて2種。≪Butterfly Cakes≫バタフライケーキ
レモンイエローで作るのが一般的なのでしょうか?
この著者はホワイトチョコとフレッシュラズベリーで
アップデートしたと書いていました。
蝶が飛んできたようで気分も楽しくなります。≪Millionaire's Shortbread≫
ミリオンネアーズ ショートブレッド
訳すと「大金持ちのショートブレッド」でしょうか。
ショートブレッドにカラメルとチョコを重ね、
固まってから切り分ける。
作ると、3層のバランスが意外に難しい。
≪オールド・イングリッシュマフィン≫
コーンミールをまぶして焼いた
素朴で味わいのあるパン。
フォークでザクザクと半分に切って
目玉焼き等、具をはさんで頂く。
「小公女」で登場します。≪クランペット≫
「秘密の花園」では
秘密のティータイムに
トーストと共に焼きたてのクランペットが。
イースト発酵させてフライパンで焼く、
そのまま食べても十分に美味しい。
≪Chelsea Buns≫チェルシーバンズ
1700年代にチェルシーのバンハウスで
作られたのが始まりだそうです。
日本の「シナモンレーズンロール」に
お味も作り方もよく似ているので、もしや
ここから派生していったのかもしれませんね。
≪Tea Loaf≫ティー ルーフ
濃い目の紅茶に一晩漬け込んだドライフルーツを
たっぷり入れて焼いた
お菓子のような甘いパンのような。
バターを塗って、熱い紅茶と共に。